津田青楓は、1880年に京都府で生まれ、華道家の去風流家元の息子です。小学校を卒業すると、京都の呉服問屋にて奉公します。その後、四条派の日本画を師事するようになり、京都市立染織学校に入学。卒業したあとに助手を勤め、関西美術院に入学して洋画を学びます。津田青楓は、1907年にはフランスの首都であるパリに就学し、アール・ヌーヴォーの影響を受けます。夏目漱石との付き合いもあり、油絵などを教えていたそうです。油絵の「犠牲者」を描いていたところ警察に検挙され二科会から脱退して、日本画の道を歩むようになりました。津田青楓は、「花もみぢ」や「花橘」などの書を含めたくさんの作品を描いています。「自己は自己の図案をつくらねばならん」と形にとらわれることなく、自己の表現方法として作品を描き続けたことでも知られています。
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