坪内逍遥

坪内逍遥は、明治時代を中心に活躍した、小説家であり、評論家、翻訳家などの多彩な才能の持ち主です。岐阜県で生まれ、父親は尾張藩の手代を務め、明治維新とともに名古屋の笹島村に戻ることになりました。漢学については両親の影響があり、11歳には貸本屋に通うほどだったそうです。坪内逍遥は、1885年に「小説神髄」を発表すると、美術として発展させるために、勧善懲悪の物語を否定します。坪内逍遥の小説は人情を描いたほうがいいと論じ、心理的写実主義の考え方が近代の日本文学の誕生にも大きく関わったのでは？と考えられています。1909年から「ハムレット」などのシェイクスピアのすべての作品を翻訳して刊行しました。晩年は穏やかな時を過ごしたことでも知られています。