
参考買取価格 100,000円
「龍村平蔵(たつむら へいぞう)」は、日本の染織家が代々襲名する名前です。初代は明治時代に活躍した織物作家・研究家で、現在の龍村美術織物の基礎を築きました。初代龍村平蔵は、大阪で裕福な家庭に育ち、17歳で呉服商の見習いをしながら織物の研究に没頭しました。明治27年(1894年)に独立し、西陣織の技術革新に貢献しました。特に、ゴブラン織や高浪織、纐纈織といった美術織物の制作に取り組み、数々の特許を取得しています。また、法隆寺や正倉院に伝わる古代裂や名物裂の研究に尽力し、その復元でも知られています。彼の仕事は、織物を芸術の域に高め、多くの賞を受賞しました。文豪の芥川龍之介も、彼の作品を「おそるべき芸術的完成」と評しています。