中里太郎右衛門は、佐賀県の唐津市で420年以上の歴史を持った唐津焼の窯元のことをいいます。江戸初期に作陶を始めた中里又七をはじめ、唐津焼御茶碗窯(おちゃわんがま)を代々継承してきました。現在の三代目は1957年に十三代の長男として生を受け、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業したあと、同じ学校の大学院を修了しました。第16回日展にて叩き青唐津手付壺「貝緑」にて初入選を果たすと、第40回佐賀県展や日展でも活躍しました。2020年には中里太郎右衛門陶房敷地のなかに、御茶盌窯記念館が開館しています。
歴代の中里太郎右衛門のなかでも、十二代目は桃山時代の古唐津の復興に尽力した人物としても知られており、雅陶唐津焼の復活やたたき技法による独自の唐津焼を作ったことでも知られています。1976年には重要無形文化財保持者として認定され、晩年も作陶に尽力した人物でもあります。
