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川合玉堂

川合玉堂(かわいぎょくどう)といえば、日本の山や河などの自然の美しさを愛し数々の作品を残してきた画家です。絵の一つ一つから温かさが感じられ、風景を後世にしっかりと伝えてくれます。おおらかさも感じられるのは玉堂の人柄あってのことかもしれません。

愛知県生まれ岐阜育ちの川合玉堂は、たった14歳のときに京都の“望月玉泉”に入門します。23歳になったときに東京に移住し“橋本雅邦”に師事し、1907年には第1回文展の審査員に任命され1915年には東京美術学校の日本画教授や、1917年には日本画帝室技芸員になり、日本画壇の中心的な存在になります。1940年には文化勲章も授与され、1944年から訪れていた東京都の西多摩郡の三田村にて生涯を過ごし昭和32年に心臓喘息で亡くなりました。

■川合玉堂の作品

1. 鵜飼

明治28年に発表した作品になり、故郷の長良川の夏の風物詩として有名な「鵜飼」をテーマにしました。代表的な作品としても知られており、夏の夜の風景を生き生きと描いています。鵜の一瞬一瞬の動きを忠実に再現した作品でもあり、故郷を大切にしていたのが伝わってきます。

2. 松上双鶴

二羽の鶴が寄り添い合い、仲睦まじい姿を見せています。おそらく夫婦の鶴を描いたものだと思います。寓意を表す謎語画題としても知られており。山種美術館の初代館長である山崎種二が長女の結婚式の記念に依頼した作品です。シンプルな絵だからこそ鶴が見事に描かれています。

3. 熊

晩年生活していた奥多摩で、近所で射殺された熊を描いたものです。偶然にもその日が誕生日だったこともあり絵を描くきっかけになりました。当時は山から熊が下りてくるのは珍しいことでした。熊をリアルさにこだわり、毛並み1本1本まで丁寧に描かれています。

4.  雨江帰漁図

39歳のときの作品になり、玉堂の絵の素晴らしさを感じさせてくれる作品です。雨が降り止まぬ様子や、張り詰めた臨場感、薄暗い風景など、雨の音が聞こえてくるような気がしませんか。卓越した描写力の高さが伝わるのではないでしょうか。

5.  石楠花

イーゼルにキャンパスを立てて描いていた玉堂だからこそ、実現できた作品になります。浮世絵のような構図のなかに、シャクナゲの花が可憐に咲き誇る姿は生命力の強さを感じさせてくれますね。有名な作品ではありますが見る度に新しい発見のある奥深い作品です。

川合玉堂の絵は自然の美しさを感じさせる作品ばかりです。絵であることを忘れてしまうほどの卓越した技術をもった画家であるのが伝わるのではないでしょうか。

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