テラコッタは、イタリア語で「焼いた土」を意味し、粘土を成形し釉薬(うわぐすり)をかけずに比較的低温(700~800℃程度)で焼成した素焼きの陶器や彫刻作品を指します。
この技法の特徴は、粘土に含まれる酸化鉄が焼成によって発色し、赤褐色や茶色がかったオレンジ色という独特の温かみのある風合いを生み出す点です。
テラコッタは、古代から世界各地で広く用いられてきました。
彫刻: 古代ギリシャのタナグラ人形や、中国の兵馬俑が有名です。日本の土偶や埴輪も製法としてはテラコッタの一種にあたります。
建築・生活: 装飾用のタイル、屋根瓦、そして庭の植木鉢(テラコッタ鉢)などに多用されます。特に植木鉢は、素焼きのため通気性・排水性に優れているという実用的な利点があります。
その素朴な質感と、加工しやすい粘土の特性から、芸術作品から実用品まで幅広い用途で親しまれています。
