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花入

「花入(はないれ)」は、茶室の床の間(とこのま)などに飾る花を入れる容器で、茶の湯における重要な装飾道具の一つです。
花入は、茶会の趣向や季節感を表現する役割を持ち、掛物(かけもの)とともに客をもてなす空間の雰囲気を決定づけます。その種類は多岐にわたり、大きく以下の三つに分類されます。
真(しん):唐物(からもの)の青磁、染付などの陶磁器。正式な茶席で使われます。
行(ぎょう):和物の陶磁器(信楽、備前など)、金属製(唐銅など)。
草(そう):竹製や籠(かご)。侘びた風情があり、特に竹製のものは侘び茶の精神をよく表します。
花入に生ける花は、豪華さよりも素朴さや一期一会(いちごいちえ)の季節感を重んじ、一輪または二輪のシンプルな生け方が基本とされます。