TEL0120-554-110

茶入

茶入(ちゃいれ)は、茶道で濃茶の抹茶を入れておくための陶磁器製の容器です。漆器の棗(なつめ)が主に薄茶用であるのに対し、茶入は濃茶の席で使われ、その歴史的背景から茶道具の中でも特に格式高いものとして重んじられてきました。
室町時代から戦国時代にかけて、茶入は武将の褒賞となるほど価値が高く、権威の象徴でした。茶席では亭主の趣向や品格を伝える重要な役割を担います。
産地により唐物(中国製)、和物(日本製)などに分類されます。代表的な形状には、肩が張った肩衝(かたつき)、リンゴのような文琳(ぶんりん)、ナスの形をした茄子(なす)などがあります。
茶入には通常、象牙の蓋がつき、さらに美しい織物でできた専用の袋である仕覆(しふく)に包まれて茶席に持ち出されます。茶入本体と仕覆の取り合わせも鑑賞の対象となります。