
買取価格2,000円
炉縁(ろぶち)は、茶室の畳に切られた炉(ろ)の周囲にはめ込む木製の枠です。単に炉壇を覆うだけでなく、火気が畳に伝わるのを防ぐ役割と、茶室の雰囲気を整える装飾としての役割を持ちます。
一般的な炉縁の大きさは、約42.4cm(一尺四寸)四方と決まっています。炉縁は大きく木地縁(きじぶち)と塗縁(ぬりぶち)に分けられます。
木地縁(草): 沢栗や黒柿などの木材をそのまま用いたもので、侘びた趣があり、原則として四畳半以下の小間(こま)に使われます。利休時代には「洗い縁」とも呼ばれました。
塗縁(真・行): 檜下地に真塗(しんぬり)などの漆を施したもので、格式が高く、原則として四畳半以上の広間(ひろま)に使われます。蒔絵が施されることもあります。炉縁の素材や塗りは、茶会の趣向や茶室の広さによって選ばれ、茶道具の中でも季節感や格式を表現する重要な脇役です。
