原清は、1936年に島根県で生まれた陶芸家です。この辺りは出雲と呼ばれている地域になり、当時から港に陶器を乗せた船が立ち寄ることもあり、幼少期より陶器に触れる機会が多かったといわれています。陶器の世界に興味を持ったのも、登下校中に見かけた陶器の破片が美しく興味を持ったことにあり、高校を卒業したあとは人間国宝である石黒宗麿と清水卯一の下で陶芸について学んだといわれています。1965年に東京都世田谷区に工房を構えたあと、埼玉県大里郡寄居町に窯を移転させ独自の技法を生み出していきました。何度も失敗したものの、あきらめずに取り組んだ努力も実り多くの賞を獲得するまでになりました。1976年日本陶磁協会賞を受賞。日本伝統工芸展では入賞も経験し、社団法人日本工芸会理事を1992年より務めるようになり、その後同会常任理事として認められています。
鉄釉と呼ばれる陶芸技法を通っており、鉄分を調整することで黒や褐色の色を出す技法になり、集中的に取り組んだそうです。大柄の色面による文様を描くことが多く、細かな技法とは違った作風を発展させた人物でもあるのです。
