増村 益城(ますむら ましき、1909-1996)は、昭和から平成にかけて活躍した漆芸家です。特に、中国から伝わった存星(ぞんせい)の技法を研究し、日本の漆芸に取り入れた第一人者として知られています。
修行と作風: 漆芸家の六角紫水(ろっかく しすい)に師事し、特に彫漆の分野を深く研究しました。中国の堆朱(ついしゅ)や堆黒(ついこく)といった彫漆技法を究めつつ、漆に色粉を混ぜて使う色漆の調合技術にも長けました。
得意技法: 存星は、漆器の表面に文様を線彫りし、その溝に色漆を埋め、さらに彩色や金箔を加える華やかな技法です。増村はこの存星を研究・復興し、繊細で現代的な感覚を取り入れた作品を多く制作しました。
栄誉: 1978年(昭和53年)に、存星の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
代表作: 「存星飾箱」「存星彩色盆」などがあり、東京藝術大学の教授としても教育に貢献しました。
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