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堆朱楊成

堆朱 楊成(ついしゅ ようぜい)は、室町時代から江戸時代にかけて代々続いた漆芸家の家系です。彼らは主に堆朱(ついしゅ:彫漆の一種)の技法を専門とし、特に江戸時代を通じて幕府の御用を務めました。
技法: 堆朱とは、素地(器の土台)に朱色の漆を何度も塗り重ねて厚い層を作り、その層に文様を深く彫り出す技法です。楊成家は、この技法に熟練していました。
初代: 初代は楊成という名で、中国・宋から元にかけての彫漆を学び、室町時代に京都で活躍したとされています。
江戸時代: 江戸時代に入ると、幕府に仕えることになり、特に徳川将軍家の婚礼調度品などを数多く制作しました。この時代の当主は、代々「楊成」の名を襲名し続けました。
栄誉: 1709年(宝永6年)には、徳川家から「堆朱師」として正式に召し抱えられ、江戸幕府の奥道具製作の中心的役割を果たしました。
特色: 精巧で典雅な作風が特徴で、彫りの深さと漆の重厚さが尊ばれました。