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研ぎ出し蒔絵

研出蒔絵(とぎだしまきえ)は、蒔絵の技法の中で、文様を漆の層に埋め込み、表面を研ぎ出して光沢を与えることに特徴があります。
技法の工程:
まず、文様となる部分に漆で絵を描き、漆が乾かないうちに蒔絵粉(金粉や銀粉など)を蒔きつけます。
粉が定着した後、文様全体を覆い隠すように全面に漆(中塗り漆や透漆)を厚く塗ります。
漆が完全に乾燥した後、この表面を炭などを使って水研ぎします。
研ぎ進めることで、埋まっていた蒔絵粉の層が露出し、文様が漆面と一体化したような仕上がりで現れます。
特徴: 研出蒔絵は、文様が漆の膜の下にあるため、非常に堅牢で剥がれにくく、しっとりとした深い光沢を持つのが特徴です。漆面と文様の間に段差がないため、手触りが滑らかで、奈良時代から使われている最も古い蒔絵の技法とされています。
種類: 技法が進化したものとして、彩色を施す色漆研出蒔絵などもあります。