越前漆器は、福井県鯖江市河和田地区を中心に作られる、約1500年の歴史を持つ日本最古級の漆器産地です。起源は6世紀、継体天皇に黒塗りの椀が献上されたことに遡ります。
最大の特徴は、「堅牢さ」と「花塗(はなぬり)」と呼ばれる塗りの技法です。花塗は、上塗りの漆を塗った後に研磨せず、刷毛の跡や埃が入らぬよう均一に仕上げる技術で、深みのある艶が生まれます。
江戸時代以降、京都の蒔絵や輪島の沈金といった加飾技術を取り入れ、装飾性も向上しました。
現代においては、業務用漆器の生産で全国シェア約8割を占めており、堅牢な下地技術と分業制による安定した品質が、日用品から高級品まで幅広い用途を支えています。
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