増田三男は、埼玉県の浦和(現さいたま市)出身の彫金家(1909-2009)です。
東京美術学校(現・東京藝術大学)で清水南山や海野清に師事し、伝統的な金工技術を習得しました。卒業後、富本憲吉を生涯の師と仰ぎ、「模様から模様をつくるべからず」という富本の思想を制作の基本としました。また、柳宗悦の民芸運動にも関心を寄せ、工芸理論を研究しました。
身近な草花や動物をモチーフに、蹴彫(けりぼり)や布目象嵌(ぬのめぞうがん)などの伝統技法と、金や銀の鍍金(ときん)による彩金技法を駆使。優れた色彩感覚とモダンな図案で、豊かな自然美と生命感あふれる作品を制作しました。
母校である浦和高校の美術講師を務める傍ら制作活動を続け、1991年に彫金の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
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