鹿島一谷は、明治から平成時代にかけて活躍した日本の彫金家(1898-1996)です。
代々金工を家業とする家に生まれ、祖父から家伝の布目象嵌(ぬのめぞうがん)の技法を学びました。布目象嵌とは、地金に布目状の刻みを入れ、そこに他の金属を打ち込む象嵌技法です。また、彫金家である海野清らにも師事し、技術を磨きました。
20歳で独立した後、帝展や日展で活躍。伝統的な布目象嵌の技法を駆使しつつ、優美で格調高い作風を確立しました。また、唐招提寺の国宝「金亀舎利塔」の保存修理にも従事するなど、文化財の修復にも貢献。
その功績が認められ、1979年に重要無形文化財「彫金」の保持者(人間国宝)に認定されました。作品は、繊細な絵文様や、金属の特性を活かした表現が特徴です。
TEL0120-554-110
