
買取価格3,000円
作家物(職人)の茶筅は、抹茶を点てるための竹製の道具で、単なる消耗品ではなく、高度な技術が凝縮された工芸品として評価されます。 国産茶筅のほとんどは、室町時代から約500年の伝統を持つ奈良県生駒市の高山(たかやま)で作られています。この地で、谷村丹後氏などの「茶筅師」が、その技を代々一子相伝で受け継いできました。
材料は主に淡竹(はちく)などを使用。竹を極細に割り、穂先を均一に薄く削る「味削り」が最も重要で、抹茶の泡立ちや口当たり、つまり「茶の味」を左右する繊細な職人技です。穂数は流派や用途により異なり、手作業による「指頭芸術」とも呼ばれます。
その精巧さと、茶の湯の精神性との結びつきから、海外でも”CHASEN”として芸術的な価値が高まっています。流派ごとの形式を踏まえつつも、作家独自のこだわりと美意識が宿った逸品です。
