司馬遼太郎の「街道をゆく」の挿絵を描き、かなりの名声を得ました。力強い自由なタッチを作風とします。1906年(明治39年)埼玉県吹上町に生まれます。父親は教師でした。病弱でおとなしい子供時代を過ごし、中学卒業後、画家を志して東京美術学校を受験しますが、4度の挑戦にもかかわらず合格を果たせませんでした。浦和で一人身の生活を送りながら独学で絵を描き、「文展」「日展」に何度も入選します。しかし、絵を生活の糧にしようとはせず、あいかわらず貧乏暮らしをしていました。40歳を過ぎると抽象画を多く描き、道元の禅に心魅かれるようになります。60歳になって再び具象画を描き、自分を型にはめず自由な発想を持って絵に取り組みました。生涯、子供のような純粋さを失わず、破壊と創造をくり返した画家です。
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