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大橋翠石

大橋翠石(おおはしすいせき)は、岐阜県の大垣市出身の日本画家です。明治~昭和にかけて活躍し、世の中に「虎の翠石」とも呼ばれていた人物になります。まるで目の前で生きているかのような躍動感溢れる作品を次々に発表していきました。それまで数々の虎の絵が発表されていましたが、虎図としては新しい写実性を生み出した人物でもあります。

大橋翠石は、幼い頃から絵を描くことを好み出身地である、大垣にあった“戸田葆堂”の師匠である“天野方壷”らの力を借りて絵を学びました。その後、母に諭されたこともあり東京の「渡辺小華」に入門します。その後母が急死したことで大垣に戻り、虎の見世物小屋にて虎を身近に見たことで、虎をモチーフにした作品を精力的に制作するようになります。

その後、自身の結核の治療のために神戸に移住します。そこで阪神間の財政界が後援会を結成し、「阪神間の資産家で翠石の作品を持っていないのは恥とまで言わせるほどの実力でしました。虎の絵をメインにはしていたものの、他にも獅子やたぬき、鹿などの動物はもちろん、金魚やホタルなどの風流溢れる作品も手掛けています。81歳で老衰でなくなるまで、精力的に絵を描き続けました。

■大橋翠石の作品

1. 大虎図

80代になった晩年に母校からの依頼を受けて講堂に飾るために制作しました。神戸に住んでいたこともあり、故郷に遺すことを考え手間ひまかけて作られています。どこか真っ直ぐに見つめる瞳が印象的ですね。晩年の虎図は、全体的に赤っぽい色調に特徴があります。

2.  白虎之図

パリ万博の金メダル獲得で、明治天皇への献上品の同一作品としても特別な捺印を残したことで知られる作品です。本来の虎の毛並みとは違う、金や銀などの華やかな色合いをメインに光沢感のある美しい毛並みが特徴です、神々しさも感じつつ、虎の強い生命力が伝わってくる作品です。

3.  虎児之図

虎図のなかには、子どもの姿を描いたものもあります。生まれたばかりの愛らしい虎の赤ちゃん。立ち上がるのもやっとの姿を見ていると弱々しくも感じられますが、一生懸命威嚇する、本能のようなものも感じられます。虎の繊細な動きを再現した作品です。

4.  仔猫之図

虎図ばかりに思われるかもしれませんが、猫好きだった大橋翠石は猫の絵も数多く残しています。まん丸く寝っ転がっているいたずらっ子のような猫の表情がなんとも生き生きしています。目の前にいるかのような錯覚さえ覚えてしまいますね。

大橋翠石の作品はどれも動物達が生き生きと描かれ、絵であることを忘れてしまうまさに動物の絵を書かせたらこの人以上の天才はいないでしょう。

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