「天像(てんぞう)」とは、仏教の護法神である「天部」をかたどった像です。特に密教で重要な「十二天」は、八方位(八方天)と天・地・日・月の計12尊からなり、方位の守護や密教の修法に用いられました。代表的なものに「薬師寺吉祥天像」などがあります。
―天像の主な種類と特徴―
・十二天(じゅうにてん)
8つの方位(東・東南など)を司る八方天(帝釈天、火天、焔摩天など)と、天・地・日・月を司る天(梵天)、地(地天)、日(日天)、月(月天)の12尊からなります。
方位の守護神として、主に国を護るための修法に用いられました。
代表的な作例に、平安時代に作られた「東寺本十二天像」などがあります。
・吉祥天(きちじょうてん)
幸運や美しさ、繁栄をもたらす女性の女神で、奈良時代から信仰されてきました。
代表的な作例に、国宝の「薬師寺吉祥天像」があります。
