美人画

美人画とは、女性の容姿や内面の美しさを描いた日本の絵画ジャンルを指し、江戸時代の浮世絵に始まり、明治期以降に近代日本画の一つのジャンルとして確立されました。単に女性の姿を描くだけでなく、その時代の美意識やファッション、生活様式を反映する役割も持ち、女性たちの流行の参考にもされました。上村松園や鏑木清方、伊東深水といった画家たちにより、内面の美しさやエロティシズム、悲しみなど、より多様な女性像が表現されるようになりました。
実在の個人に似せて描くことは少なく、理想化された女性像が描かれることが多いのが特徴です。清澄な女性像だけでなく、妖艶な女性や現代の不安を抱える女性など、内面性までを描写する作品も生まれています。