
買取価格10,000円
須田祥豊(すだ しょうほう、1885-1974)は、明治から昭和にかけて活躍した京焼の陶芸家です。京都に生まれ、家業の製陶業に従事した後、五条坂に窯を築き茶陶制作に専念しました。
彼は、「国焼(くにやき)」や朝鮮陶磁の「写し(うつし)」に類稀なる妙技を見せたことで知られています。特に、唐津、信楽、高取などの多様な焼き物の特徴を見事に再現し、その端正で幅広い作風から「幻の名工」とも呼ばれました。
1925年(大正14年)には、裏千家14代・淡々斎宗室から「祥豊」の号を、また大徳寺の円山伝衣師から「如拙庵」の号を授かるなど、茶道界と深く結びつき、多くの名品を世に残しました。その作品は、単なる再現に留まらず、実用性と格調を兼ね備えていると高い評価を受けています。