
買取価格30,000円
坂倉新兵衛が手掛ける割高台(わりこうだい)の茶碗は、萩焼の伝統的な様式美を象徴する作品です。
割高台は、茶碗の底にある輪状の台(高台)に一つ、二つ、または十文字などの切り込みを入れた形状で、萩焼のルーツである朝鮮李朝の陶器に見られる特徴です。坂倉新兵衛窯は萩焼の御用窯の系譜を引く名門として、歴代の当主、特に十二代新兵衛などは、この伝統的な造形を受け継ぎ、格調高い茶陶として確立しました。
茶碗の底に土の風合いを見せる土見せの部分とともに、高台の鋭い切り込みは、素朴な肌合いに造形的な変化を与え、茶席での鑑賞のポイントとなっています。枇杷色や白釉など、「萩の七化け」と呼ばれる釉薬の貫入による風合いの変化と相まって、茶人に珍重されています。