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食籠 中村宗哲

中村宗哲 食籠

買取価格35,000円

中村宗哲は、茶道における漆器を制作する千家十職(せんけじっしょく)の塗師が代々襲名する名跡です。初代宗哲は17世紀に京都で、隣家の武者小路千家初代・千宗守から塗師の技術を受け継ぎ、千家御用達となりました。
彼らが手がける漆器の中で、食籠(じきろう)は茶事の懐石料理の席で菓子を盛る器として重要な役割を持ちます。宗哲家の食籠は、歴代当主の高い技術と洗練された美意識が反映されており、精巧な蒔絵や格調高い塗りの技法が特徴です。
例えば、十一代宗哲作には「鱗鶴絵黒食籠」のような名品があり、表千家即中斎宗匠の花押(かおう)が入ったものも見られることから、各宗匠の好みに応じた道具を制作してきた歴史がうかがえます。宗哲の食籠は、実用性と美術性を兼ね備えた、茶の湯の文化を彩る工芸品です。