
買取価格78,000円
加藤幸兵衛は、1804年(文化元年)に美濃国多治見市で開窯した幸兵衛窯の当主が代々襲名する名跡です。特に茶碗の作風は、当代によって大きく異なります。
最も著名なのは、六代目の加藤卓男(人間国宝)で、失われた古代ペルシャの幻の名陶「ラスター彩」の復元に成功し、華やかなラスター彩茶碗を制作しました。一方で、美濃焼の伝統的な志野茶碗も得意とし、父である五代幸兵衛からその技術を受け継いでいます。
現当主の七代加藤幸兵衛(裕英)も、父のペルシア陶技を継承しつつ、現代的な感覚を加えたラスター彩や青釉の茶碗を展開しています。そして、その息子である加藤亮太郎(2015年に八代目幸兵衛を襲名)は、美濃桃山陶の伝統に立ち返り、自ら築いた穴窯で焼成する志野、織部、瀬戸黒など、桃山茶陶の茶碗製作に情熱を注いでいます。