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銀瓶

買取価格80,000円

銀瓶(ぎんびん)は、主に煎茶道で用いられる、銀製の湯沸かし器です。鉄瓶とは違い、銀は水の成分を変化させにくいため、湯の雑味を取り除き、水本来のまろやかな風味を引き出すことから珍重されてきました。銀瓶の製作には、鎚起(ついき)という一枚の銀板を叩き延ばして形作る高度な金工技術が必要です。表面には、細かな霰(あられ)模様や、彫金、象嵌(ぞうがん)といった繊細な装飾が施されることが多く、実用性を超えた美術工芸品としての価値を持ちます。江戸時代初期に茶道具として広まり、高価な銀を素材とし、熟練の職人技を要することから、かつては上流階級の財力や品格を示すステータスシンボルとされていました。経年により生じる「いぶし銀」の落ち着いた色合いも、愛好家にはたまらない魅力となっています。