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花鳥画

花鳥画(かちょうが)とは、花、鳥、虫、獣、魚介などを主題とした東洋絵画の一ジャンルで、自然界の調和や季節の移ろいを表現する伝統的な画題です。中国唐時代に独立した主題となり、日本では平安時代から描かれ始め、大和絵の技法を取り入れて独自の発展を遂げました。草花のみの「花卉画(かきが)」、昆虫を描いた「草虫図(そうちゅうず)」、松に鷹や鶴、猫に牡丹など、さまざまな動植物が描かれます。屏風、襖絵、掛軸など、障壁画にも用いられ、装飾的な役割も担いました。花や鳥の姿を通して、自然の調和、季節の移ろい、長寿や子孫繁栄といった吉祥(縁起の良いこと)の願いが表現されることもあります。江戸時代には、狩野派や琳派、文人画、円山四条派など多様な流派が花鳥画を発展させ、写実的で色鮮やかな作品から洗練された作品まで、多彩な表現が生まれました。